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「テレコミュニケーション 2016 3月号」に、当協会 竹岡会長のインタビュー記事が「全国携帯電話販売代理店協会1年の取り組み」として掲載されました

2016年03月03日

2月25日発行「テレコミュニケーション 2016 3月号」に、当協会 竹岡会長のインタビュー記事が「全国携帯電話販売代理店協会1年の取り組み」として掲載されました。


<記事全文>

全国携帯電話販売代理店協会1年の取り組み

ショップでの苦言縮減へ手応え

携帯販売代理店の業界団体「全携協」は、スマートフォンで増加する苦情の縮減を目的として設立された。関連機関と連携して取り組む体制を構築し、今年は具体的な成果につなげようとしている。

ティーガイアやコネクシオ、クロップス、ベルパークなど携帯電話の主要代理店12社が中心となって業界団体「一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(全携協)」を設立してから、昨年12月で1周年を迎えた。この間、会員企業は79社に増え、店舗数シェアは年度末80%を目標とするところまできている。

スマートフォンの本格普及が始まった2011年以降、消費者センターなどに寄せられる携帯電話サービスの苦情・相談件数は高止まりの状態にあるのを受けて、全携協は、業界として苦情の縮減に向けた統一的な取り組みを行うことを最大の目的として設立された。

発足と同時に協会内に「携帯電話店頭販売サービス向上委員会」を設置し、昨年3月から独自の苦情収集体制の本格運用を開始している。

加盟代理店が運営する店舗のうち苦情収集活動を開始している約2400店舗(15年12月現在)に寄せられた苦情を専用のWeb入力システムを使ってクラウド上に集め、各社の担当部署で入力の進歩管理や内容のチェックを行った後、全携協のデータベースに月単位で集約するという仕組みだ。

昨年3月から12月までの10カ月間に寄せられた苦情は、約3万5000件に上る。その内訳は、スマートフオンなどの端末やアクセサリなど商品に関するものが27%、各種割引や通信量制限など料金プラン関連が19%、故障11%などとなっている。併せて、ショップスタッフからの改善提案も数千件に上るという。

苦情や改善提案については、通信キャリアやTCA(電気通信事業者協会)を交えた定例会議の場で分析し、対策を協議している。従来、顧客からの苦情にはキャリアや代理店が個社ごとに対応してきたが、「集約する場ができたことで苦情の『見える化』が可能になり、ショップスタッフからの改善提案もキャリアまで届くようになった意義は大きい」とティーガイア取締役会長で、全携協の代表理事を務める竹岡哲朗氏は話す。

消費者の声をリアルタイムに把握

5月には苦情収集項目の見直しを行い、より精緻な分析によって苦情の原因がどこにあるのか突き止めることができるようになった。

それによると、スマートフォンの取り扱いが増え、商品やサービスの高度化に伴い、苦情収集システムへの入力(発生から1〜2日以内)までに解決に至らないケースも増加している。主な原因は「言った言わないが不明」(23%)と「顧客の誤解、顧客側の責任」(22%)でほぼ半数を占め、事務処理ミスなど店舗側の責任によるものは29%だった。

「スマートフォン販売では説明項目が非常に多く、お客様は理解したつもりになっているだけで実は理解されていない場合がある。不満についても、心底納得して解消しているとは限らない。スタッフとお客様のコミュニケーションや確認作業が重要であることを再認識した」と竹岡氏は言う。

全携協では、消費者関連団体や総務省とも苦情内容を共有し、定期的に意見交換を行っている。

消費者からの苦情・相談を収集したものに「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)」があるが、これは1年間に集まったデータを分析・分類したものであり、苦情の発生から公表までにタイムラグが発生する。

これに対し、全携協の苦情収集システムは、苦情の増減の推移などをより詳細に把握することが可能だ。消費者の「声」をリアルタイムかつ正確に把握できるとあって、消費者関連団体にも好評だという。

このように、現場と販売代理店、キャリア、消費者団体、総務省が、苦情の縮減に向けて連携する体制がこの1年でできあがったことに、全携協の関係者は強い手応えを感じている。

苦情の縮減とESの向上を目指す

販売代理店の業界団体が設立に至った背景には、携帯電話関連の苦情の増加という事態を重く見た総務省が、15年度から携帯電話販売に「クーリングオフ」に似た制度を導入する方針を打ち出した影響が大きい。

通常は訪問販売や通信販売に適用される制度が、携帯電話に限って店頭販売に導入されることになれば、販売業務への負担増のみならず業界そのもののイメージ悪化は避けられない―。強い危機感から、個別企業の垣根を越え業界を挙げての取り組みが必要という共通認識で一気に設立へと進んだ。

代理店の熱心な活動の成果もあり、総務省の審議会での論議の結果、店頭販売の端末はクーリングオフの対象外とされ、電気通信事業法の一部改正に合わせて「初期契約解除制度」として5月21日から開始する。しかも移動通信については、初期契約解除制度に替わる確認措置を講ずることで「電波の受信状況に問題がある」「契約に関する説明が不十分」といった場合に限り、サービス提供開始日から8日以内は端末も含めて契約を解除することが可能となった。

今回の改正では、料金や支払い方法、オプションサービス、解約条件などを記載した契約書面をすみやかに交付することも義務付けられる。これにより契約内容がデータとしてきちんと保管されるため、トラブル発生時にも責任の所在が明確にしやすくなる。その反面、店頭では以前にも増して接客時間が長引くことが懸念される。代理店が行ったトライアルでは、説明を簡略化した場合でも15分ほど時間が延びたという。スタッフの負担を軽減する目的から、全携協では説明内容を定型化し、タブレットなどで案内する全キャリア共通の仕組み作りを提案していきたい考えだ。

苦情縮減と並び、スタッフのES向上も販売代理店にとって対処していかねばならない大きな課題だ。全携協ではこれらを2本柱に掲げ、キャリアや総務省などと連携しながら、ICT立国という日本再興戦略の一端を担うべく業界の改善とさらなる発展を目指すという。        


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